労災保険に未加入の会社であっても社員は労災の給付を受けられますか

労災事故Q&A

労災事故Q&A 基礎知識

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労災保険に未加入の会社であっても社員は労災の給付を受けられますか?
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労災保険に未加入状態である会社であっても社員は労災給付を受けられます。
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労災保険法では、労働者をひとりでも雇っている会社は、雇い始めた日から保険関係は成立していると考えますので、社員が業務災害などに遭った場合は、労災保険法が適用され給付を受けることができます。
ただしこの場合、労災保険に未加入の会社(事業主)は、政府から労災保険料を遡って徴収される他、労災保険から給付を受けた金額の100%または40%相当の金額を徴収されることがあります(これを費用徴収といいます)。
費用徴収が100%になるか40%になるかは、以下の判断基準によって決められます。

100%の徴収になる場合

労災保険の加入手続について行政機関から指導等を受けたにもかかわらず、手続を行わない期間中に業務災害や通勤災害が発生した場合は、事業主が「故意」に手続を行わなかったと認定し、災害に関して支給された保険給付額の100%が徴収されます。

40%の徴収になる場合

労災保険の加入手続について行政機関から指導等を受けてはいないものの、労災保険の適用事業となったときから1年を経過して、なお手続を行わない期間中に業務災害や通勤災害が発生した場合は、事業主が「重大な過失」により手続を行わなかったと認定し、災害に関して支給された保険給付額の40%が徴収されます。

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費用徴収(100%または40%)される保険給付は、療養開始後3年間に支給されるものに限定されています。また、療養(補償)給付と介護(補償)給付は費用徴収される保険給付の対象から外されています。

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もし労災保険の適用事業所が、故意に労災保険の加入手続きを怠っていた時に、社員が業務災害を起こしたとすると、軽度の怪我であれば、100%の費用徴収でも数万円で済みますが、これが死亡であったら、1000万円(賃金日額1万円の社員が死亡し、遺族に遺族補償一時金が支給された場合)の費用徴収になりますので、未加入事業主は、この負担金額の重みを充分認識しておく必要があります。

〈社会保険労務士 PSR正会員 村松 鋭士〉