労災保険への切り替えの仕方について教えて下さい

労災事故Q&A

労災事故Q&A 基礎知識

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労災事故であったにもかかわらず、病院で健康保険証を使ってしまった場合の労災保険への切り替えの仕方について教えて下さい。
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健康保険で取り消しを行った後、労災保険の書類である「療養の費用請求書(様式第7号)」に納付書やレセプトなどを添付して、労働基準監督署に提出します。
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業務中などの災害であるにも拘わらず、社員が病院で健康保険証を使って受診してしまった場合は、会社はすぐに社員が行った病院に連絡をし、労災であった旨を伝えます。すぐであれば、病院は健康保険から労災へ切り替えをしてくれます。また、すぐでなくても病院は月末に診療報酬の請求をまとめますので、同月内であれば、労災への切り替えをしてくれる可能性は高いです。
ただし、病院に連絡をすぐしなかったため月をまたいでしまったような場合は、労災への切り替え処理をしなければなりません。会社の加入している健康保険が、政府管掌であれば社会保険事務所に、組合管掌であれば健康保険組合に取り消しのための申請をします。申請をすると、病院での診療代の7割部分(3割は病院で自己負担しているため)の納付書が届きますので、社員に一旦、納めてもらうよう言って下さい。納付すると3ヵ月後くらいに、レセプトセンターなどからレセプトが送られてきますので、そのレセプトと7割部分を納付した時の納付書の原本、最初の受診の際に社員が病院で支払った3割部分の領収書の原本を労災の手続き書類である「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式第7号)」に添付して労働基準監督署に提出します。提出すると、社員が請求書に記載した銀行口座に療養にかかった費用全額(10割分)が振り込まれます。

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受診後すぐに病院へ連絡すれば、健康保険から労災への切り替えは容易です。ただし、連絡が遅くなり月が変わってしまうと、社会保険事務所(または健康保険組合)と労働基準監督署の双方へ申請をすることになりますので、遅くとも同月内には病院へ切り替えの連絡をする必要があります。

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健康保険から労災への切り替えは、会社と社員双方にとって大変手間がかかります。処理期間に関しても3ヵ月以上ととても長くなるため、未然に防げるよう、社員には、業務災害や通勤災害などの労災事故が発生した時は、駆け付けた病院で必ず第一に労災であることを告げるようしっかり指導して下さい。また、会社は、A4一枚程度の簡単なものでいいので、労災マニュアルを作って、社員に配布しておくとよいでしょう。

〈社会保険労務士 PSR正会員 村松 鋭士〉