太田隆次の人事講座

あなたのその笑いはどちらの笑い? [目指せ!人事の雑学王]

投稿日時:2012/02/17(金) 09:00rss


「笑い」には大きく分けると、本能的笑いと、社会的笑いの二つがあるそうです。

1.本能的笑いとは、達成感や満足感の表現としての「会心の笑み」や「嬉しさ」や「おかしい」[面白い]笑いで、口を大きくあけて頬の筋肉全部を使います。いわば陽気な笑いです。

2.社会的笑いとは他人からの自分への攻撃をかわす防衛的、外交的な「嘲笑」「冷笑」「苦笑」「作り笑い」「追従笑い」「愛想笑い」などで、口元や目尻じりの筋肉しか使いません。いわば陰気な笑いです。 その他、社会的笑いには、井原西鶴やチャップリンの求めてやまなかった「哀れ」「ペーソス」を呼ぶ笑いがあります。

井原西鶴の晩年の作品の「世間胸算用」にこういう笑いがよく登場します。例えば、年も押し詰まった大晦日の夜に貧乏人三人がお寺にやってきて、蝋燭をつけてお経をあげているお坊さんに物欲しそうに挨拶をしますが、お金がないこの三人がお布施をくれるわけがないので、お坊さんは「蝋燭代が勿体ないので早く帰ってくれ」というのが、哀れを誘うおかしさの例としてあげられます。

チャップリンの「モダンタイムス」「ライムライト」などの映画のおかしさは、ホームレスのか弱い男が、屈強な男や金持ちや警官に代表される権力を奇策でやっつけるとか、主人公が哀れだからこそ可笑しいという、チャップリン独特の笑いの哲学です。

その他に、文化の違いによる笑い声の違いもあります。英語では声を出して笑うことをlaugh といい、声を出さない笑いをsmile といって文章でも明確に区別しますが、日本語の文章ではどちらも「笑い」の一語で、声を出さないsmileの笑いが広義の一般用語とされ、声を出すlaughの笑いは「声を出して笑った」といわなければなりません。
これが飛鳥時代の仏以来「ジャパニ-ズスマイル」として、「日本人の口元だけの頬笑みは一体、何を考えているのか分からない」と世界的に悪名高い声を出さない静かな笑いです。国際舞台でなくても、可笑しくて笑うなら、せいぜい少しでも声を出してlaughしましょう。