太田隆次の人事講座

「能力」は、英語では使い分けをしています。 [人事の教養]

投稿日時:2012/03/22(木) 09:00rss


日本語では「能力」の一語で、潜在能力(知識、技能、適性など)と顕在能力(実行力、表現力、指導力など)を表しています。ですから「あの人は能力がある」「能力主義で行こう」「人の価値は能力で決まる」と言っても、具体的に何の能力なのかはあいまいな所があります。
英語も「能力」は一般的にはAbilityですが、これだけでは具体的には分からないので、次のように別の言葉で使い分けをしています。

Competence 定義: あることを達成するのに人を凌ぎ最善を尽くす力量の「能力」
用例: his competence as a minister (大臣としての彼の力量)
語源:compete (競り合って競争), コンペ(competition)と同じ語源
参考: マクレランドは達成意欲の高いcompetenceを抽出、体系づけたが、弟子のボイヤッツが、competenceの英語の古語のcompetencyを借用して発展させた。
Capability 定義:事態により対応するに十分な力量の「能力」
用例: his capability to run a company (会社を立派に経営出来る手腕)
語源:capacity(収容能力、容積)が語源
参考: 「ケイパビリティ マネジメント」は日本語化している。
Capacity 定義:あることが出来る強い力、広い度量の「能力」
用例:capacity for hard work(重労働に耐える力)、capacity to pay(支払い能力)、beyond my capacity(力を越えている)
語源:収容能力、容積
参考:「キャパを越えている」のように日本語化している
Proficiency 定義:研鑽して得た知識、技術の熟達した「能力」
用例:proficiency test in English(英語能力テスト)
語源:pro ― 前に進む、進歩する
Talent 定義:特殊な分野の才能の「能力」
用例:talent for music(音楽の才能)、a man with many talents(多才な人)、
語源:talentは古代ギリシャの貨幣の単位で、新約聖書のマタイ伝の「才能に応じて貨幣を支払う」から、talent は才能の意味になった。
Gift 定義:天賦の才能、天性の「能力」
用例:gift for music(音楽の才能)gift for painting(画才)
語源:gift ← give(創造主によって与えられた才能)
Ability 定義:立派に成し遂げる先天的後天的な精神的な力を表す一般的な「能力」の総称。
用例:diplomatic ability (外交的手腕)、ability in mathematics(数学の才能)、to the best of my abilities(私の最善を尽くして)
語源:able(出来る)の名詞。ableはフランス語系のhabile(have、hold=持つ)で、「元来、持っているもの」