太田隆次の人事講座

その責任は何の責任ですか? [目指せ!人事の雑学王]

投稿日時:2012/04/19(木) 09:00rss


 日本語の責任はこの一語で、通訳泣かせです。英語の責任にはAccountability、Responsibility、Liability の
三つがありそれだけで、何の責任か分かります。
ごくおおざっぱに言うと、Accountability は説明責任。Responsibilityは社会的責任、Liability は法的責任のことです。

Accountability―誰に何の説明の責任?
 アカウンタビリティには歴史の物語があります。時は15~16世紀頃、場所はイタリアのジェノバ、主役は金融業者と船長達です。
大きい船でアジアなど外国へ往復航海しての貿易で儲かるのは分かっていても船を作るお金がない船長達と、
お金はあるが儲けさせてくれる借り手がいなくてお金を増やせない金融業者との利害得失が一致し、
金融業者はお金を船長達に貸しお金の出入りと損益の帳簿をつけさせて、航海後に説明させ利益を船長達と分配しました。
お金を勘定することをカウント(count)ということから、この帳簿の仕組みをAccountといい、会計学(Accounting)が生まれ、
帰ってきた船長達の説明の責任をアカウンタビリティ(Accountability)というようになりました。
手っとり早くいえば、誰かに「やりましょう」「やりました」の説明責任で、人事の世界では「成果達成責任」の意味です。

Responsibility―社会的責任のどこが社会的?
 誰もがおなじみのResponsibilityは、日本語でもレスポンスというように、あることにResponse (応答する)から出来た言葉で、
ある地位や役職や立場に釣りあう、あるべき、対応すべき義務などの社会的責任のことです。
社長の責任、企業の責任などでCSR(Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任)のように使われています。
親の子供への責任も社会的責任です。親の立場に対応すべきResponsibilityです。
 企業は株主の物であるというアメリカではCSRに加えCSA(Corporate Social Accountability)という言葉があり、
これは守るべき環境保護、人権、雇用などについて株主にきちんと事前に約束し結果を説明すべき責任があるという意味です。

Liability―どういう法的な責任?
Liabilityは、一般的な責任より範囲が狭く、債務不履行など法的な民事の金銭的賠償責任をいいます。
たとえば製造物責任はProduct Liability で、Product Responsibility ではありません。
殺傷など法的な刑事責任はResponsibilityです。