太田隆次の人事講座

現場で役に立つ人事の名言 [人事の教養]

投稿日時:2012/06/19(火) 09:00rss


「人事を尽くして天命を待つ」、「人は石垣」「人を見て法を説け」、「十人十色」など、古くから多くの立派な人事の名言があります。しかし、これらの名言は、日常の現場で使うには格調が高すぎます。

 そこで、日常の現場の実感に合った役に立つ人事の名言を紹介します。

1.人は、面接時の印象や直感で採用してはならない
よく役員面接で、外見や直感で決めたがる役員がどの企業にもいます。10万円の購入に決裁までに時間をかけて10人近くの承認印がいるのに、億円単位のリスクがある人の採用が外見や話し方の印象で瞬時に1人か数人で決めるのは危険です。

2.訓練は必要性(ニーズ)を埋めるもの、教育は人を燃え上がらせるもの
昔から訓練とは必要なニーズを埋めることといいますが、教育とは高い視点から潜在能力やモチベーションを燃やすものです。

3.販売などの失敗は取り戻せるが、人事問題の失敗は取り戻せない 販売などの失敗は一時的なものであり挽回はできますが、人事問題の誤りは取り戻せないので慎重でなければならないという戒めです。松下幸之助はいつも「人事問題は経営問題」と言っていました。

4.「それは出来ません」は官僚型人事部の常套文句
人事部には継続性、整合性、法規とのコンプライアンスを保つため、就業規則、行政解釈、前例、労働慣行などをたてに、無意識的に官僚のように保守的にならざるを得ない体質があります。自戒すべきです。

5.「人事部長は社長にも労働組合にも煙たがられるのが、バランスがとれて丁度いい」
ある大企業の会長の人事部長へのアドバイスです。経営者の代弁者にとどまらず、経営者にも労働組合の双方にもの申す勇気と正義感が人事部長には必要ということです。

6.時間外労働の問題は仕組みより、経営者の決断と風土の問題です
過重時間外労働は仕組みの問題もありますが、長年の慣習や風土の問題であることが多いと言われます。社長の決断で一挙に長年の時間外労働がゼロになった事例がいくつもあります。

7.人事部は、経営者、社員を内部顧客として仕事をすべきです
生産販売など直接部門が外部の顧客に最高最適な業務を展開、提供しているのと同じ視点で、総務、人事、経理などの間接部門も、経営者、管理者、従業員、直接部門をそれぞれ内部顧客として、最高最適なサービスを提供すべきです。

8.人事部は、人事データーや情報を絶えずアップツーデートしておくべきです
人事部は、人件費、人事データー、人事統計、経済統計、経済指標、人事情報などの最新のデーターをいつでもアウトプット出来なければなりません。

9.人事部は思想家であるべし
「人間とは何か」を常に思索し、人間の尊厳性を生かす人事を展開しなければなりません。高名な組織学者バーナードは「組織の経営は、結局はトップの人生哲学に帰する」と述べています。