太田隆次の人事講座

Congratulations も Nice も、言葉の歴史がある [目指せ!人事の雑学王]

投稿日時:2013/04/25(木) 09:00rss


世はグローバル時代で、公私ともども欧米人と英語での付き合いが多くなりました。

日本語にも、欧米人には分からなくても、
日本人同士では相手側に失礼な意味になる言葉が多くあるように(「おめでたい人」「お前」など)、
英語にも、日本人には分からなくても欧米人には失礼な言葉が多くあります。

例として日本人が大好きなCongratulationと Nice を取り上げましょう。

 
新婦にCongratulations!と言ってはなりません。
 Congratulations は「苦労してやっと勝ち得たことについて祝辞を述べること」です。英和辞典にもそういう説明が載っています。
新婦には「やっとこさ見つかったの、そりゃおめでとうさん」「必死で探した甲斐があったのね」と聞こえます。
ですから新婦にはタブーなのです。Best Wishes!とかの表現を使います。

それなのに新郎にはCongratulations! は「素敵な花嫁さんを見つけたんだね。おめでとう!」でOKです。

 
男性にYou are a nice guy. と言ってはなりません。
 Nice はもともとFool, Stupid(馬鹿)、Ignorant(無知)の意味だったのが、
 18世紀ごろに「ここちよい」→「悪くない」→「結構な」→「よい」と変化して、
 現代ではNice Weather(よい天気)、Nice Time(楽しい時)のように使われるようになった歴史があります。

 しかし、現代でも本質は、積極的な「よい」ではなく消極的で社交辞令的な「まあまあ」「ご立派」です。

 例えば Talk Nicely. は「心地よく話す」、
 日本人の好きなNice Shotは上手でも下手でも「お見事です!」の気持ち(本当に素晴らしいショットならBeautiful Shotと言います)、
 Nice Workは「上出来な仕事」、などなど英和辞典で用例を確かめて下さい。

 ですから、You are a nice guy. と「いい人ですね」と最高に褒めたつもりが、
 「気のいい人」「人が良すぎてちょっと頼りない」「お人好し」と「あしらわれた」が欧米人の受け取り方です。
 
 日本語でも、かつては「君」「殿」「お前」が相手への最高ランクの呼称だったのに現代では同等、格下になっています。
 何語でも言葉には歴史があるのですね。