太田隆次の人事講座

徒然草の吉田兼好はブログやツイッター発信の先駆者 [目指せ!人事の雑学王]

投稿日時:2013/08/22(木) 09:00rss


徒然草(全243段)と、現代のブログやツイッターには共通することがあります。

それは、
 テーマを特に定めず不特定多数に発信している

 徒然草の著者吉田兼好(1283~1352?)が有名な序文で
 「つれづれなるままに日暮らし硯にむかひて心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつれば、
 あやしうこそものぐるほしけれ」と、テーマも相手も特定せず思ったことを順不同で書き記している。

 見解が独断と偏見で超主観的である
  思った通りのことを書き記すのですから、徒然草もブロッグもツイッターもひとりよがりの内容で、
  誰もが納得する公平無私は期待出来ない。 からです。  時代は違っても、鎌倉時代の吉田兼好のつぶやきは、時空を超えて、
  平成のネット時代の私達も「なるほど」と共感を持てることばかりです。

例をあげましょう。
 誰でも生まれたからには願わしいことが沢山ある。
 容貌が良くありたいのはその最たるものだが、顔立ちがいくら良くても心や才能がないと、
 人品も顔も次第に醜くなってくるのは残念なことだ。(第1段)

 昔の天子の御代の政治を忘れ、国民が嘆き、国家が疲弊しているのに、
 万事に華美を尽くしそれを立派なことと思っている人(当時の権力者)は思慮がない。(第2段)

 すべてのことにすぐれているのに、恋心の情趣を解しない男はまことに物足りなくて、
 杯に底がないようなものだ。  しかし、情趣を解していても恋に溺れている風ではなく、
 女から「この男はくみしやすくない」と思われることが男の好ましい身の持ち方である。(第3段)

 全く同じ心の友人と意見のくい違いも議論して、
 何でも心置きなく話せたらこれほど嬉しいことはないのだが、
 実際は少しでも相手と食い違わないように気配りしておざなりの話しか出来ない友人が多い。
 ストレスや淋しさや不満をどしどしやり取り出来る友人こそ、本当の心の友人である。(第12段)

 友達とするのに悪いものが七つある。
 第一は身分の高い人、第二は若い人、第三は病気せずに体の強い人、第四は酒好きの人、
 第五は勇猛な武士、第六は嘘をつく人、第七は欲の深い人。  よい友達に三つある。
 第一は物をくれる友、第二は医師(くすし)、第三は知恵のある友。(第117段)

 年が五十歳になっても上手になれない芸は捨てるべきである。
 だいたいその年になったらひまのあることこそ、周りの目にも安らかで願わしいことである。
 いつまでも仕事や俗世間のことに関係して一生を暮らすのは最低に愚かな人である。(第151段)

 筆を手にすると物を書きたくなるし、楽器を手にすると音を出して見ようと思う。
 杯を手にすると酒を飲みたくなる。
 さいころを手に取ると賭け事をしたくなる。
 このように私たちの行動は、つい触った物に動かされてしまうのである。(第157段)

 誠意があり、人をわけへだてせず、誰に対しても礼儀正しく、口数の少ない人は老若男女すべて立派であるが、
 ことに若くて容貌にすぐれ言葉づかいもきっちりしている人は、 いつまでも忘れがたく心が惹かれる。(第233段)