太田隆次の人事講座

足し算的な天文学者のバランス感覚に学ぶ [目指せ!人事の雑学王]

投稿日時:2013/09/27(金) 09:00rss


 よく新しい星や彗星が見つかったと話題になりますが、天文学者が望遠鏡につきっきりで実際に発見したのではなく、
太陽や星の軌道計算や重力の変化を総合して、今は空白だが、ある時点である星や彗星がやって来る筈だと見当を付けて
何年も綿密に写真を取り続け追跡したり計算し続けた結果、予測通り新しい星や彗星が見つかることが多いそうです。

 五次元世界の存在の研究で世界的に著名なハーバード大学のランドール博士は、
「私たちの住んでいる地球の重力は計算上もっと強いはずなのに、桁違いに弱いのは、縦、横、高さ、時間の四次元以外に
五つめの次元の世界の重力が地球に入り込んでいると考えれば説明が出来る」という仮説をたて注目を浴びています。

 新しい星の発見や、五次元の世界の存在の仮説で共通するのは、
まだ分からない不足分の「何かを足せば」釣り合いを保て謎が解けるという、足し算的なバランス感覚です。
    
バランスは日常、「バランスよく」のように「釣り合っている」という意味で静止画的に使われていますが、
原義は天秤の二つの皿を釣り合わすために、動画的に片方にいくら足せば「釣り合うか」ということです。

言葉の詮索をすると一層はっきりします。
バランス(Balance)とは、「二つ」の意味のラテン語のba((二ヶ国語のバイリンガルのbiも同じ)と、
「皿」を意味するlanxがくっついたbalanxつまり両皿天秤の「二つの皿」のことで、
始めから「釣り合っている」状態の意味ではなく、
二つの皿を釣り合わすために一方の皿に足りない重さを載せることです。
一方の皿に基準の重さの分銅を載せておけば片方の皿の重量が分かるわけです。

会計用語でも、バランスとは、
差引き残高、収支の差額でのことで、バランスシートとは利益や債権や債務などの不足分や差額を一目瞭然にして
最後に両皿天秤のように差し引きゼロにして釣り合わせる「差し引き不足分リスト」で、
言葉通りまさに「バランスシート」です。
会計用語だけでなく「私の銀行バランスが少ない」(My bank balance is small,)とは銀行預金の残高が少ない」ことです。

 家庭教育や人材育成や人事評価でも頭から理想像を押し付けるのではなく
「ここを足せば、ここを伸ばせば、もっとよくなる筈」とか、
ダイエットでも栄養や運動など個人の事情に合わせて「これを付け加えれば」など、
何事によらず「バランス」の言葉の原点に戻り、「いくら足せば釣り合うのか」と、足し算で考えれば、
何でも前向きに取り組めるのではないでしょうか。