太田隆次の人事講座

魚の名の漢字には、日本人は苦労してきた [目指せ!人事の雑学王]

投稿日時:2014/04/21(月) 09:00rss


 中国では魚といえば内陸でとれる淡水魚を食べることが多いので魚の名は淡水魚が多く、海の魚を食べる日本人は海の魚の漢字に当て字を作ったり、創作したり苦労してきました。

鮎(あゆ)は古代日本で、「占い」に使っていたので「鮎」と書きました。中国語の漢字で鮎とは、占が「粘る」意味でも分かるように、「ねばねばした」という意味で、「なまず」の一種です。日本語の鮎は中国語の漢字では香魚と書きます。

鰺(あじ)は、中国語の漢字では「生臭い魚」という意味で、なぜこれが日本語の「あじ」になったかはいまだに不明です。

烏賊(いか)は中国語の漢字を日本人が借用したもので、中国の古書に「いかは死んだ振りをして水面に浮かび食べ物と思って飛んできた烏(カラス)を腕で捕まえて食べる」から烏にとって恐るべき敵ですから「鳥の賊」と書いたのが日本にも伝わりました。

鰯(いわし)は日本人が作った「国字」で腐りやすいことから「弱い魚」とも、下等な魚とされる「賎しい魚」ともいわれます。

鰹(かつお)は腐りやすく古くから干物や火を通して「堅い魚」として食べ「魚が堅い」で日本人は鰹と書きましたが、中国語の漢字では「うなぎ」の一種です。

たこは「蜘蛛」に似ているので中国語の漢字では足の高い「蜘蛛」で「足高蜘蛛」と書きます。これを古代日本人は虫偏にして「蛸」をあてたのが今日まで続いています。中国では、たこを吊り上げた形が章という字によく似ているので「章魚」とも書き日本語でも使われています。

かじきは、長い尖った口で小型木造船の底の加敷(かじき)という板や船の梶の木も突き通すことから「梶木」と日本人は書きます。

鯛(たい)は、「周り」が丸く、断面はせんべいのように薄く「平たい」ので「平魚」(タイラウオ)と呼んでいたのが、魚+周で鯛「タイ」になりました。

鯖(さば)は日本ではこの青い魚に、中国では青魚とも書く淡水魚の「鯖」を借用しました。
 
秋刀魚(さんま)は日本人が作った字で、「形が刀状で、秋を代表する魚」という意味です。

 河豚「ふぐ」は中国では海より揚子江や黄河で獲れるふぐが親しまれ、膨れた姿が豚に似ていることから「河豚」と書きます。日本では古来「布久」(ふく)だったが江戸時代から「ふぐ」になり、中国と同じく河豚と書いています。日本では海で獲れるのに、中国では河で獲れるので敬意を表して日本人は「河豚」と書いているのです。