太田隆次の人事講座

「リストラ除け」のおみくじ [人事の教養]

投稿日時:2014/07/18(金) 09:00rss


 お寺や神社のおみくじの願い事の定番は古くから「金運」「健康運」「結婚運」「恋愛運」「進学運」などでしたが、
最近の新顔は「リストラ除け」だそうです。それほどリストラがサプライズではなく日常的になったからでしょうか。

 最近も、名だたる超優良大企業数社が中高齢層を対象に11月をメドに、大規模な早期退職という名のリストラを発表しました。
入社以来、定年まで安泰と信じていたエリート社員も家族もまさに青天のへきれきでしょう。
ある大企業はこれで年間数十億円の赤字が減るとのことです。
以前は、当面の業績悪化が理由でしたが、最近は今後の競争激化と収益力低下を見越して、
設備投資金の借入対策のため金融機関の要求で、早めにリストラで人件費削減の手を打つ
というパターンも増えているそうです。

 普通の解雇と違って退職金割り増しがついた希望退職とか早期退職という名のリストラ解雇は、
賃金の高い中高齢層が対象になることが多く、割増退職金付きと言っても年齢からみて教育資金や住宅ローンなど
生活設計上深刻です。

 しかし、視点を次のように前向きに変えれば、神仏頼みのおみくじを引くより、よく効く「リストラ除け」になるでしょう。
「リストラ除け」のキーワードは「独り立ち出来る」自分作りです。組織に留まる、転職する、自立起業するなど、
オプションが広がります。

1. 「退職後の長い人生こそが価値ある人生」のビジョンを持てばリストラは怖くない
 定年55歳が制度化した明治時代は、平均寿命が45歳前後でしたから55歳定年は重みがありました。
WHOが発表した2012年度の日本人の平均寿命は男性が80歳、女性が87歳です。
制度としての定年は65歳に延長の最中ですが、賃金、年金などの問題を引きずったままです。
退職後の人生のビジョンを定年前に描いて計画を作り実行しましょう。
もし無為無策で50歳代の若さでリストラされたら人生は真っ暗です。

2.世間で通じる専門性を複数持てばリストラは怖くない
  以前、「あなたは何が出来ますか」と聞かれて「管理職が出来ます」という笑い話がありました。
「専門性とレベル」は、自社ではなく、世間で通じる専門性とレベルです。
研究開発の技術系の人は、とかく狭い専門性にこだわり過ぎるのでリストラの対象になりがちです。
しかし、現代は異種の多種多様な技術を統合する「技術のシステム化」の世代と称されていることに目を向けましょう。

3.使える語学力を持てばリストラは怖くない
 使える語学力(読み書き話す聴く)があればリストラの対象になることはないし、
もし対象となってもグローバル時代ですから転職に苦労することはないでしょう。
英語の他に第二外国語として中国語が使えれば鬼に金棒です。

なお、英語のリストラ(Restructure)は、金、人、物などを再配置、再配分することで、単純に社員を解雇して減らすとか、
コストを削減することではありません。
カタカナで日本語でリストラというと、いわゆる和製英語化して解雇の意味になっています。