太田隆次の人事講座

生き残る職種と消えゆく職種 [人事の教養]

投稿日時:2015/02/23(月) 09:00rss


今はいい会社やいい職種でも、これからも生き残るとは限らない時代になりつつあります。
目先の労働条件や福利厚生のよさそうな働きやすい就職先で消えゆく職種を選ぶより、少々つらくても、
これから生き残る職種をキャリア目標に選ぶことが人生の課題になっているのです。

今回はその手がかりを紹介しましょう。
 
データ:
2012年版国勢調査では、1985年から2010年まで25年間の仕事の増減を次のように結論づけています。
(なじみのない統計用語がありますが)
  1. 就業者の総数は1995年の6418万人がピークに5829万人と減り続けている。
  2. 農林漁業、生産工程・労務作業者、管理的従事者、運輸・通信作業者は減り続けている。
  3. 専門的・技術的職業従事者とサービス職業従事者は年々増加している。
    専門的・技術的職業従事者
    3-1 ITと高齢化による情報処理技術者、社会福祉専門職、医師、薬剤師、歯科衛生士など
    3-2 弁護士、個人教師(スポーツなど)、栄養士など
  詳しくは下記をご覧ください。
  http://diamond.jp/articles/-/13108?page=5
 
ビジネス雑誌の特集:
「週刊ダイアモンド」誌(2014年3月8日号)が「いい会社わるい会社 消える職種残る職種」を特集し、
将来、コンピュータに代替される確率と年収を、オックスフォ-ド大学がアメリカの702職種を調査した結果のうち
115職種をプロットした図を紹介しています。

アメリカと日本では国情も違うのでそのまま日本にはあてはまりませんが、
次の例は現在の日本でもコンピュータ化され消えつつあります。
  • かつては足を棒にしてネタを見つけ帰社して夜遅くまで苦労して記事にするまでの記者の華やかな仕事は、次第にコンピュ-タ-がニュ-スを集め選択し文章を作り記事を書き自動的に電子ペ-パ-に掲載するようになった。
  • かつては花型職種だったプログラマーもコンピュ-タ-が自らソフトを自動開発するようになり活躍の場がなくなった。
  • かつては人事の中核の仕事であった賃金管理もほとんどがアウトソーシングされてしまい、適性による人事配置もコンピュータ管理が主流になった。
 
単行本:
「10年後に食える仕事、食えない仕事」といういささかショッキングな書名の単行本があります。
渡邉正裕著、2012年刊、東洋経済新報社発行、1620円)

本書の構成と内容の紹介は次をご覧下さい。
http://make2020.net/blog/10-years-work/
 
まとめ:
 以上に共通していることは、「環境の変化が仕事を変える」ということです。
「消えゆく職種」と「生き残る職種」と、その理由についてまとめてみましょう。
 
なぜ「消えゆく職種」か → 代替され不要になるためです
  1. 単純労働で代替が容易な職種
    (単純な現場作業)→ 機械化や代替が容易なためです。 
  2. 少子高齢化で後継者がいない
    (小規模農林漁業、兼業農家)→ 後継者がいないためです
  3. 技術革新による代替
    (動力やエネルギ-源) 人力→蒸気→電気→太陽熱→原子力と進化
  4. アウトソ-シングによる消滅
    (賃金計算事務、福利厚生施設管理) → アウトソ-シング
  5. コンピュ-タ化による代替
    (電車運転士、翻訳、経理会計事務)→ コンピュ-タ-処理
  6. インターネット化による消滅
    (紙面広告、窓口販売、仲卸業など)→ ネット販売
  7. ロボット化による消滅
    (掃除、製造ライン、介護補助)→ ロボット化
 
なぜ「生き残る職種」か → グローバル規模の変化と競争に生き残るためです
  1. 社会の高度化と判断を伴う高度専門技能が必要
    医師、弁護士、経営者、経営コンサルタントなど
  2. 少子高齢化社会を生き残るため
    技術伝承業務、介護業務など
  3. 日本文化の伝統を守るため
    伝統芸術、おもてなし文化
  4. グローバル競争に打ち勝つため
    最先端技術者、世界標準ビジネス 
2020年以降を展望して「生き残る職種」をめざして自分のキャリア目標をたてましょう。