太田隆次の人事講座

技術者の基礎的数学力の低下 [人事の教養]

投稿日時:2016/01/20(水) 08:44rss



政府は、国際社会で戦える人材の育成に注力するため、大学教育の人文系への偏りを見直し、
先進的な理数系教育に重点をおくと発表しました。
それはそれでいいのですが、足元を固めるのが先決ではないかという提言があります。
 
それは技術者の基礎的数学力の低下です。
 
国内大手企業の技術者の多くが中学入試で出題されるような理数系の基礎的問題を解けないと、
今月2日に京都で開かれた「科学教育in京都2015」で発表されました。
 
この調査は2014年度一部上場の製造業9社に在籍する20代の技術者1226人を対象に実施されたものです。
問題は11問で結果は100点満点で平均56.66点でした。

たとえば

「9-3÷1/3+1」という計算問題では四則計算の優先順位が分からない技術者が多く、正答率は6割以下でした。
問題の多くは高校で習う初歩的な内容で中学入試でも出題されるレベルでした。
「高校では入試対策に追われ基礎的数学力を身につける機会が減り、理数系科目では生物や化学しか
やっていない技術者が多くなったことが原因で、微積分などを習う数学Ⅲや物理学の履修率を大幅に高めることが
技術力確保に重要」と提言しています。
 
それにITのアプリケーションが発達して面倒な計算をしなくても済むことが多くなったのが理由かも知れません。
しかし、たとえば宇宙探索ロケットのスイングバイによる軌道修正は、徹夜の手計算によったといいます。
 
華やかな先端技術の知識も大切ですが、基礎的な数学力を平素から磨いておくことも大切ではないでしょうか。