太田隆次の人事講座

あなたはどの世代ですか [人事の教養]

投稿日時:2016/02/15(月) 17:56rss



1.倉本聰の演劇「屋根」が話題になっています
倉本聰自身はこう語っています。「私の住んでいるここ富良野は、冬の気候が厳しく住むに耐えかねて捨てられた廃屋が多い。屋根のすき間からのぞくと、住まい部分には今まで食事をしていたかのように、家族の茶わんや湯のみがなまなましく食卓に残されたままです。多分、引っ越しに面倒なので置いていったのでしょう。こういう廃屋を、屋根を通して見て回るうちに、何世代にもわたる家族たちの人生が思いやられてそれを『屋根』というドラマにしました」(NHK BS3 2016年2月6日 インタビュー)
 
2.なぜ話題に?
 たとえば、朝日新聞の「天声人語」は「倉本聰の『屋根』が巡回で各地を回っている。大正から平成をまたぐ、9人の子をなした夫婦が戦争など時代の波にもまれ、子供たちを戦死などで亡くしながら懸命に生きる。しかし戦争が終わると豊かさや便利さを際限なく求め、子供や孫たちも核家族化し家族の絆を忘れ、消費に浮かれる中、老夫婦は古着も捨てないで縄にしてまた使うライフスタイルを守っている」
 
 3.「屋根から見た離散した家族像」は「組織という屋根から見た離散した社員像」と重なる
 倉本聰は屋根からかいまみた食器から、老世代から孫世代までの各世代の生き方の違いを芝居にしました。組織という「屋根」からも、老世代から若年世代まで、能力も違えば、人生観や価値観など「違いが目立つ」多くの社員が見えます。その違いのうち、少子高齢化で年金や結婚や介護や資産形成など世代による損得の違いが最近目立つようになりました。将来、世代間の争いになる可能性があります。その違いをもう少し考えてみましょう。
 
 4.世代別損得勘定の図式
 世代別の損得勘定の図式は、縦軸に「損得項目」を、横軸に世代の年齢をとると、個人差もあり、定量化できないのでいささかアバウトですが、下表のようなイメージが描けます。
 世代の年令区分や名称は、統計や高年齢者雇用安定法や厚生年金保険法など法律で違いがあり、メディアでも団塊世代、新人類(と呼ばれた)時代、就職氷河時代、バブル時代など様々で、ここでは世間一般でいう世代名をつけました。次に「損得項目」ですが、分かりやすい雇用、処遇、厚生の三項目を選びます。そしてO と-とXで現時点での年代別の深刻度のおよその程度を表すことにします。

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結論:組織の「屋根」から見ると、同じ社員でも年金の負担額増大と住宅購入の困難性から、若年層と中年層の世代は高齢の世代よりも損得勘定はマイナスになる。高年層からは「逃げ切り」の世代となるが、引退後、高年層は老後の生活資金不足や健康不安や家族介護や孤独老人のリスクが高まる。