評価の平均はB評価とすべきである → 本当か?

人事制度10の間違い

人事制度10の間違い その7

◎評価の平均はB評価とすべきである
⇒ 本当か?
一般的な評価制度では、S評価はめったに出さない、評価の平均はBであるべきだ、という定説があります。社内での競争、順位付け、相対評価のもとでは平均をBとすべきですが、「育てる人事制度」ではすべての人がS評価となることが好ましいのです

人を育てる目的の人事制度であれば、評価の平均をBにしなければならない理由はない

どうして優秀な社員が増えてS評価がどんどん出てはいけないのだろうか。どうして評価の平均はB(S、A、B、C、Dの5段階評価の場合)にすることが必要なのだろうか。この理由を考えてみると、(1)平均的な社員がB評価であるべきであり、そんなに優秀な社員が多く居たり、D評価が多く居たりするのはおかしい、そして(2)昇給などを計算する場合、平均がBでないと人件費が予算以上に膨らんでしまう可能性がある、などが考えられますが、どうも本能的に平均B説が正しいと思い込んでいるのかも知れません。生徒がどう感じているかは無頓着に学校の先生はいつも偏差値で生徒を評価し、生徒はそれが当然のことと感じてしまい、自分が上の立場に立ったときには無意識に部下を学校の生徒のように彼らを集団として認識してしまうことから平均B評価説が出てしまうのではないでしょうか。

「平均はBであるべきだ」と感じている人は、本当に自分は一人一人の部下を育てようとしているのか、もう一度自問していただきたいと思います。ある長野県の福祉施設で役所から施設に来られて総務部長になられた人との会話で次のような話が出たときには本当に驚いた経験があります。その部長は「評価制度を導入する際には、評価表も社員には見せてはいけないし、ましてやどんな行動や努力をすればS評価になるか、などを前もって示すなどは言語道断だ」という意見でした。社員を見下し、評価を単に評価だけの目的で運用しようとしているその考え方には育ってもらおうという気持ちはさらさらなく、優しさも思いやりもなく、単に上の人間が下の人間を評価しようとしている姿に嫌悪感さえ感じた次第です。優しさが一番必要な福祉施設にかくも冷たい人が管理者をしていると思うとそこに入居されているお年寄りが気の毒に思えました。人事制度とは関係のない話ではないのです。人に対する優しさや思いやりが無ければ人は真のヤル気を出してはくれません。「脅し」で人を動かそうとすれば人は「騙し」で応えてくれるでしょう。「誠意」で当たれば「善意」で応えてくれます。
人を育てるのはその人の幸せを願ってのことであるべきです。
人事制度10の間違い