求人票に書いた労働条件は、あとで変更できませんか?

人事労務相談Q&A

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求人票に書いた労働条件は、あとで変更できませんか?
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基本的には、雇用契約を結ぶときに明示した労働条件が優先されますが、求人票の条件と著しく異なる労働条件で雇用契約を結ぶことはトラブルのもとです。
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1.求人票の明示事項
求人票には
・従事すべき業務の内容
・賃金
・労働時間
・その他の労働条件
を明示しなければならないと、職業安定法によって決められています。


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応募者は、この条件を信用して募集に応じるわけですから、著しく異なる条件で雇用契約を結ぶことはできるだけやめたほうが良いでしょう。

今まで裁判になった例を見ると……
例1 求人票に書かれたものより賃金を少し下げた雇用契約を結んだ場合
→ 問題なし(八重洲測量事件 東京高裁 昭58.12.19判決)
例2 「常用」の条件を明記した求人票により募集してきた人を、一年で雇い止めにした
→ 期間の定めなく雇い入れられたものとする
(千代田工業事件 大阪地裁 昭63.3.28判決)

2.雇入れ時の労働条件の明示義務
また、求人方法や求人募集内容に関係なく、雇用契約のときには書面で以下の項目を明示しなくてはいけません。
・労働契約の期間
・就業の場所・従事する業務の内容
・始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
・賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項
・退職に関する事項(解雇の事由を含む)
以下のものは、口頭でも良いですが、こちらも明示する必要があります。
・昇給に関する事項
・退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項
・臨時に支払われる賃金・賞与などに関する事項
・労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
・安全衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償、業務外の疾病扶助に関する事項
・表彰、制裁に関する事項
・休職に関する事項

基本的に、「雇用契約」のときに明示した条件の方が「求人票」の内容よりも優先されます。


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求人票と異なる労働条件になるときには特に、雇用契約時に労働条件を労働者にしっかり伝え、のちのちトラブルが発生しないようにすることが大切です。
口頭で良いとなっている項目も書面で提示し、印をもらっておくのも有効です。
< 社会保険労務士 PSR正会員 遊部 香 >