コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス
2012/10/12
石綿肺で自殺、国が控訴断念で労災認定へ―岡山地裁
アスベスト(石綿)の吹きつけ作業に従事し、石綿肺を発症してうつ病となった当時60代の男性の自殺を労災だと認めた先月9月26日の岡山地裁判決について、厚生労働省岡山労働局は2012年10月11日、控訴を断念することを明らかにし、同日、判決が確定しました。
この男性の妻で原告の女性の代理人弁護士によると、石綿肺による闘病を苦にした自殺を労災と認めた判決の確定は全国で初めてとのことです。
11日が控訴期限。岡山労働局は「理由は個別事案なので答えられないが、関係機関と協議して総合的に判断した」としています。遺族補償給付金の不支給処分の取り消しを求めて訴訟を起こした中国地方に住む男性の妻に、給付金が支払われるとのことです。
男性の妻は「命は帰ってきませんが、夫の思いが国に伝わった。やっと夫の尊厳が守られた」とのコメントを出しました。
判決では、男性は1959~78年、全国の工事現場でアスベストの吹き付け作業に従事していました。87年に石綿肺になり、2002年7月に労災認定を受けました。闘病中の同年10月、うつ病と診断され、60代だった07年5月に自殺しました。
岡山地裁は「悲惨な姿で死んだ同僚らの姿を通して強い恐怖を感じていた。心理的負荷は精神障害を発病させる程度に重かった」とし、石綿肺とうつ病発症との因果関係を認定しました。
« 改正労働契約法の施行日は平成25年4月1日が妥当-労働政策審議会 | 生活保護者等の自立支援で、区役所に職業紹介窓口 ―横浜市 »
記事一覧
- 雇用保険法に基づく各種助成金 「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を受けた見直しを行うための改正省令案について意見募集(パブコメ) [2024/11/25]
- 「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を閣議決定(首相官邸) [2024/11/25]
- ストレスチェックの実施義務対象の拡大など今後の労働安全衛生対策の方向性を示す報告(案)を提示(労政審の安全衛生分科会) [2024/11/25]
- 令和7年春闘方針の案を提示 定昇分を含め5%以上(中小は6%以上)の賃上げを目指す(連合) [2024/11/25]
- 第3号被保険者制度の将来的な解消に向けた早急な合意形成などを求める(日商が提言) [2024/11/25]