2011/10/24
厚生年金 報酬月額上限、121万円検討
厚生労働省は、厚生年金の保険料算定基準となる標準報酬月額の上限(62万円)を見直し、高額所得者の保険料を引き上げる検討に入りました。健康保険の上限と同じ121万円に引き上げる案が軸となります。保険料収入を増やすことで年金財政を安定化させる狙いですが、負担増となる人や、保険料を半額負担する企業側の理解を得られるかは不透明な情勢です。
厚労省は社会保障審議会年金部会で検討を進め、成案が得られれば関連法案を来年の通常国会に提出したい考えです。現在検討しているパートなど短時間労働者への厚生年金の適用拡大が実現すれば、9万8千円の下限も引き下げます。
標準報酬が上がるほど保険料も上がるが、標準報酬上限の62万円(保険料は月額約10万2千円)で頭打ちとなります。このため、月収が62万円を超える人も保険料は約10万2千円にとどまっており、上限を引き上げることで、負担能力のある高額所得者により多くの保険料を納付してもらう狙いです。121万円に上限を引き上げた場合、保険料は月額約19万9千円となります。
また、将来受け取る年金額も、払った保険料に見合って上昇するため、高額所得者への支給額が膨らみすぎないよう、現在の上限である62万円を超えた分を半額で計算する案や、年収1千万円以上の人の基礎年金(約6万6千円)を最大2分の1削減することなどが検討されています。
上限を121万円に引き上げた場合、受け取る年金額をそのまま計算すると月額47万円となりますが、62万円超を半分に計算すれば月額39万5千円になります。
ただし、121万円の上限に該当する人では、62万円が上限だった場合に比べ、年間で保険料負担が約115万円増額されることになり、上限額をより低く抑える案なども検討します。
« 70~74歳の医療費、窓口2割負担を検討 | 国保運営の広域化、知事会と市町村に対立 »
記事一覧
- 日本年金機構からのお知らせ 「短時間労働者の適用拡大<被保険者資格取得届の届出漏れはありませんか>」などの情報を掲載 [2025/04/18]
- 1,000円着服で退職金1,200万円を全額不支給 最高裁の判断は適法 [2025/04/18]
- 令和7年春闘 第4回回答集計 賃上げ率5.37%(中小4.97%)で昨年同時期を上回る(連合) [2025/04/18]
- 中小企業4団体連名で「最低賃金に関する要望」をとりまとめ(日商など) [2025/04/18]
- 基礎控除等の引上げと基礎控除の上乗せ特例の創設(財務省が資料を公表) [2025/04/17]