2012/01/10
パワハラ防止策報告書案まとめへ―厚労省ワーキング・グループ
職場の上司のいじめや嫌がらせなど、いわゆる「パワーハラスメント」の防止策について検討している厚生労働省のワーキング・グループが、初めての報告書案をまとめました。近年、都道府県労働局に寄せられる職場のいじめ・嫌がらせに関する相談が年々急増しており、パワハラを原因とした精神疾患や訴訟の増加が社会問題化しているため、労使双方の取り組みを促すことがねらいとなっています。
報告書案ではパワハラは職場の生産性に悪影響を及ぼすだけでなく、従業員の生きる希望を失わせかねないと指摘しました。そのうえで、実際の職場で問題の重要性を認識していなかったり、業務上の指導との線引きの難しさから対応に苦慮したりしている例に対応するため、まずは、どのような行為がパワハラに当たるか共通認識を持つことが重要とし、下記のような具体例を示しました。
(1)暴行・傷害(身体的な攻撃)
(2)脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
(3)隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
(4)業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
(5)業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
(6)私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
暴言や遂行遂行不可能なことの強制など攻撃的な行動に加え、無視や仕事を与えないといった行為も挙げた点が特徴となっています。厚労省は、公労使による円卓会議で内容をさらに検討して、年度内をめどに提言をまとめる予定です。
(参考)厚生労働省:第5回「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」配布資料について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yzy9.html
« 今春闘で賃上げ求め 連合会長 | 2012年度「均等・両立推進企業表彰」公募開始―厚労省 »
記事一覧
- 雇用保険法等に基づく各種助成金 令和7年度分に係る制度の見直しや新設等を行うための改正省令案について意見募集(パブコメ) [2025/02/21]
- 40~64歳の介護保険料 令和7年度は月6,202円と推計 令和6年度から微減(社保審の雇用保険部会) [2025/02/21]
- 生産性向上支援訓練活用事例集の最新版(vol.9)を公表(独:高齢・障害・求職者雇用支援機構) [2025/02/21]
- テレワークセミナー(第1回~第8回)の動画と講演資料を公開(テレワーク総合ポータルサイト) [2025/02/21]
- 整備が進められている「事業者向けポータル」 概要について説明資料を公表(事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議) [2025/02/21]