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コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 

2012/04/17

健康保険組合の2012年度保険料率が8.3%に上昇―健康保険組合連合会


 2012年4月16日、健康保険組合連合会は大企業の会社員などが加入する健康保険組合の2012年度予算をまとめました。健保全体の平均保険料率(労使合計)は5年連続で上昇し11年度比で0.4ポイント高い、8.31%です。この上昇は高齢者医療制度に拠出する支援金の増額が背景となっていますが、健康保険組合の9割は保険料収入で医療費や支援金などの支出を賄えずに赤字となります。

 この2012年度予算は健康保険組合連合会に予算を提出した1346組合のデータを基に、全1435組合の収支を推計したものとなっています。保険料率は2002年度以来の高水準で、過去最高の584組合が引き上げとなりました。高齢者支援金が11年度比9%増の3兆1355億円に膨らむため、健康保険組合全体で収入から支出を引いた経常赤字は5782億円で、5年連続の赤字となっています。

 赤字となっている健康保険組合は積立金を取り崩しますが、健康保険組合連合会では2014~2015年度に積立金が枯渇する試算となっています。記者会見で健康保険組合連合会の白川修二専務理事は、「毎年、赤字が出ているので、積立金を取り崩して、この5年間対応してきた。健保組合全体で07年度末に2兆8000億円あった積立金は、12年度末には1兆円程度に減少する。このペースだと、2年から3年で積立金は底を突く」「現役社員への負担増は限界で、解散を選ぶ健保が出かねない」と述べています。健康保険組合連合会は社会保障と税の一体改革を実施した場合の見通しも公表しました。赤字を出さないための実質保険料率は2011年度の8.48%から2016年度に10.24%に上がることとなります。