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コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 

2012/07/18

厚労省、公的年金の監視強化 運用方法見直しは見送り


 厚生労働省は2012年7月17日、公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織見直しに着手しました。理事長に集中している権限を弱め、国による監視機能を強めるということです。外部からGPIFの運営や運用実態が見えやすくする狙いです。ただ、焦点の運用方法の見直しは今回の議論と切り離しており、一体で議論しないことに批判もあります。

 政府は独立行政法人の運営の透明性を高める見直し方針を今年1月に閣議決定し、GPIFも対象となりました。厚労省は17日に有識者の検討会でこの見直し議論を開始。年内に報告書をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する方針です。

 現在、GPIFの役員は理事長と理事が1人ずつ、業務執行を監視する監事2人の計4人。運用に助言する運用委員会が内部に設けられているものの、理事長が運用方針や業務執行で最終的な決定権を持っています。このため外部から監視しにくいとの指摘がありました。

 GPIFは2012年3月末時点で113兆円を運用しています。巨額の年金資産を管理するのにトップの理事長が持つ裁量が大きすぎると判断し、複数の視点でチェックする組織に改めます。株式会社の取締役会のように、複数の理事が合議で運用方針などを決める仕組みの導入を検討します。

 一方、公的年金の長期的な財政を大きく左右する運用方法は今回の議論の対象からは外しました。検討会では「高利回りの運用を目指すのか、リスクを抑えた運用を目指すのかがはっきりしないと、組織見直しの議論は難しい」(連合総合生活開発研究所の小島茂主幹研究員)との意見も出ました。