2018/08/24
国家公務員の定年は65歳・60歳以降の給与水準は7割 (人事院が意見、世間の反応は?)
人事院が、国家公務員の定年を60歳から段階的に65歳まで引き上げるよう求める意見書を国会と内閣に提出したことが話題になっています(提出は、平成30年8月10日)。
人事院の意見のポイントを整理すると次のとおりです。
●国家公務員制度改革基本法の規定を踏まえ、公的年金の支給開始年齢の引上げに合わせて、平成25年度から平成37年度に向けて、定年を段階的に65歳まで引き上げることが適当
●民間企業の高齢期雇用の実情を考慮し、60歳超の職員の年間給与を60歳前の70%水準に設定
●能力・実績に基づく人事管理の徹底、当面役職定年制の導入により組織活力を維持
●短時間勤務制の導入や節目節目での意向聴取等を通じ、60歳超の多様な働き方を実現
定年の引き上げについては、「民間企業での定年延長の環境が整わないまま、国家公務員だけ先行すれば労働環境の官民格差が広がる恐れがある」といった意見もあります。
少子・高齢化で労働力の確保が難しくなる中、意欲と能力のある高齢者が働ける環境を整えていくことは、官民共通の課題であるだけに、官民のバランスも重要といえそうです。
また、60歳超の職員の年間給与を60歳前の70%水準に設定するという方針も注目を集めています。
平成30年6月の最高裁判決(長澤運輸事件)でも注目された部分ですが、70%という水準が高いのか、低いのか、労使それぞれの立場で意見が分かれるところだと思います。
政府は、来年の通常国会に、職員の定年の引き上げなどを柱とする国家公務員法等の改正法案を提出することを目指しているようです。
実現すれば民間企業にも大きな影響を及ぼすことになりますね。
この人事院の意見を機に、定年制度の在り方や高齢期の働き方について、官民一体で議論を深めて欲しいところです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出>
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