2011/12/13
2012年度予算案、基礎年金の国庫負担が焦点に
2011年12月12日、社会保障・税一体改革案のうち、社会保障分野の骨子案が明らかになったなかで、来年度の基礎年金の国庫負担分約2.5兆円について、「消費税引き上げにより確保される財源を活用」と明記し、将来の消費増税を返済資金とする方針が明確にされました。
来年度予算案の編成で、基礎年金の国庫負担を2分の1に維持するかどうかを巡り、国債の発行等で維持する案を打ち出している厚生労働省と、この案に反発する財務省との間で調整が続いており、財政措置の方策が焦点になっています。
来年度予算案について、政府は、これまでに東日本大震災の復興予算を全て新たに特別会計として設けて計上する方針を固め、24日の政府案決定に向けた編成作業を本格化させています。こうしたなかで、基礎年金の国の負担分を2分の1に維持するための経費約2.5兆円を賄う方法が焦点の1つとなっており、小宮山厚労大臣は、将来の消費税率の引き上げ分を充てることを目的に発行する赤字国債(仮称:年金債)によって財源を確保する案を出しました。
年金債で財源を賄った場合、2012年度予算案では通常の国債や復興債と合わせて国債発行額が50兆円近くに上ります。2015年までに消費税率を段階的に10%にする方策が変動した場合、前提そのものが危ぶまれることとなります。財務省は、消費税率の引き上げについて政府・与党内の議論の予算編成前の確実な見通しが立っていない以上、特例的な国債の発行は難しいとしています。
国庫負担を2分の1に維持する場合、来年度予算案の規模として、一般会計の総額は今年度を上回り、過去最大の93兆円前後になる見通しですが、これまで財源としてきた、特別会計の積立金や独立法人の剰余金などいわゆる「埋蔵金」の確保が難しいなかで、調整の難航が予想されています。
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