2021/02/10
健康保険法等の改正法案 国会に提出 高齢者の窓口負担の見直しのほか、傷病手当金や保険料免除制度の見直しも
「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」が、令和3年2月5日に国会に提出されましたが、その概要を含めた資料が、厚生労働省から公表されました。この改正法案に盛り込まれた主要な改正事項は次のとおりです。
●後期高齢者医療における窓口負担割合の見直し 【高齢者医療確保法】
後期高齢者医療の被保険者のうち、現役並み所得者以外の被保険者であって、一定所得以上(※)であるものについて、窓口負担割合を2割とする。
※課税所得が28万円以上かつ年収200万円以上(単身世帯の場合。複数世帯の場合は後期高齢者の年収合計が320万円以上)。経過措置も含め、政令で規定。
〔施行予定:令和4年10月1日から令和5年3月1日までの間において政令で定める日〕
●傷病手当金の支給期間の通算化 【健康保険法、船員保険法】
傷病手当金について、出勤に伴い不支給となった期間がある場合、その分の期間を延長して支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行う。
〔施行予定:令和4年1月1日〕
●任意継続被保険者制度の見直し 【健康保険法、船員保険法】
任意継続被保険者の保険料の算定基礎の見直しや、被保険者からの申請による資格喪失を可能とする。
〔施行予定:令和4年1月1日〕
●育児休業中の保険料の免除要件の見直し 【健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法 等】
短期の育児休業の取得に対応して、月内に2週間以上の育児休業を取得した場合には当該月の保険料を免除するとともに、賞与に係る保険料については1月を超える育児休業を取得している場合に限り、免除の対象とすることとする。
〔施行予定:令和4年10月1日〕
「育児休業中の保険料の免除要件の見直し」は、企業実務に直結する改正です。「傷病手当金の支給期間の通算化」などについても、把握しておきたい改正ですね。
国会での審議においては、「後期高齢者医療における窓口負担割合の見直し」が焦点になりそうです。今国会で成立するか?動向に注目です。詳しくは、こちらをご覧ください。
<全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案(令和3年2月5日提出)>
概要: https://www.mhlw.go.jp/content/000733601.pdf
法律案要綱: https://www.mhlw.go.jp/content/000733602.pdf
法律案新旧対照条文: https://www.mhlw.go.jp/content/000733604.pdf
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