2021/04/06
「最低賃金引上げの影響に関する調査」の集計結果を公表(日本商工会議所)
日本商工会議所ならびに東京商工会議所から、「最低賃金引上げの影響に関する調査」の集計結果が公表されました(令和3年4月5日公表)。
この調査は、最低賃金について、4年連続で3%台の大幅な引上げが行われてきたことを踏まえ、コロナ禍における中小企業の負担感や経営への影響等を把握し、今後の要望活動に活かしていくために実施されました。
調査期間は2021年(令和3年)2月1日~22日、回答企業数は全国の中小企業のうちの3,001社となっています。
調査結果のポイントは以下のとおりです。
○昨年の最低賃金の全国加重平均額は、コロナ禍による厳しい経済情勢が考慮され、1円の引上げにとどまったが、2016年から2019年まで4年連続で3%台(25円~27円)の大幅な引上げが行われてきた。
○こうした経緯を踏まえ、現在の最低賃金額の負担感について聞いたところ、「負担になっている」(「大いに負担になっている」、「多少負担になっている」の合計)と回答した企業の割合は過半数に達した(55.0%)。
○業種別でみると、特に、コロナ禍で大きな影響を受けている「宿泊・飲食業」では、「負担になっている」と回答した企業の割合は8割に達した(82.0%)。
○また、現在の最低賃金額の経営への影響について聞いたところ、「影響があった」(「大いに影響があった」、「多少は影響があった」の合計)と回答した企業の割合は4割に達した(43.9%)。
○最低賃金額を全国で一元化すべきとの論調に対する考えについて、「反対」(「反対である」、「どちらかと言うと反対である」の合計)と回答した企業の割合は約8割に達した(78.0%)。
○仮に、今年、最低賃金が30円の引上げとなった場合の経営への影響について聞いたところ、「影響がある」と回答した企業の割合は6割に達した(63.4%)。
○「影響がある」と回答した企業に対して対応策を聞いたところ、「設備投資の抑制等」(42.1%)が最も多く、次いで、「一時金を削減する」(28.4%)、「非正規社員の採用を抑制する」(24.9%)との回答が多かった。
このような調査結果から、「最低賃金の大幅な引上げは、設備投資による生産性向上の阻害要因になることに加え、賃金増に必ずしも直結しないことや採用の抑制につながることがうかがえる」としています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<「最低賃金引上げの影響に関する調査」の集計結果について~4年連続で3%台の大幅な引上げが続いていたことで、中小企業の負担感や経営への影響大~>
≫ https://www.jcci.or.jp/research/2021/0405140000.html
« 新型コロナに伴う休業で著しく報酬が下がった場合の標準報酬月額の特例改定の期間を更に延長(日本年金機構) | 「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」を一部改正 在宅勤務手当等の取扱いを追加(厚労省) »
記事一覧
- 女性活躍推進及びハラスメント対策について論点を整理(労政審の雇用環境・均等分科会) [2024/11/27]
- 求人者の皆さまや医療・介護・保育・幼児教育施設などで人材を募集している皆様へ向けたリーフレットを公表(厚労省) [2024/11/27]
- 賃上げの流れが中小企業や地方にも行き渡ることが重要(政労使の意見交換) [2024/11/27]
- 手形等のサイトの短縮に関する注意喚起 必ず60日以内に(経産省・中小企業庁など) [2024/11/27]
- 健康保険証の発行終了に伴う各種取扱いについてお知らせ(協会けんぽ) [2024/11/26]