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コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 

2012/04/10

「年金交付国債」見直しで「年金債」案が浮上


 政府が、基礎年金の国庫負担割合を維持するための財源約2兆6千億円を将来の消費税増税で補う「年金交付国債」について、政府・民主党が見直しに入る中で、将来の消費増税分で返済する「年金債」で賄う案が再浮上しました。年金財源として通常の赤字国債と別枠で管理することにより、政府が定める新規国債発行上限額の「44兆円」を守る狙いもあります。

 交付国債は、国が現金を払う代わりに発行する債券で、将来の消費増税による償還を前提としています。これにより政府は、2012年4月5日に成立した2012年度予算で年金財源約2.6兆円を一般会計に計上せず、赤字国債の新規発行額を2011年度並みの約44兆円に抑えました。しかし「年金債」も将来の消費増税が前提になっており、財政規律について形式的に従っているという点では同じこととなります。自民・公明両党は、この対応について「粉飾的手法」であると批判しています。

 2012年4月9日夕方の記者会見で、五十嵐文彦財務副大臣は「方法はいろいろあるが、基本的には政府が提示している交付国債が現時点ではベスト」と述べました。 野党などから「赤字国債」を財源に充てる案が浮上し、国債発行額が「44兆円」を突破する可能性が出てきたことについては「仮定の問題。まだそこまで言及する必要はない」としながらも、「国際的に日本が財政再建路線を放棄したと受け取られないような解決をしないといけない」との考えを示しました。