コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス
2013/01/17
13年度から生活保護引き下げへ、低所得世帯を逆転
生活保護の支給水準が2013年度から引き下げられる見通しになりました。生活保護世帯と一般の低所得世帯の生活費を比較、検証する厚生労働省社会保障審議会の基準部会は16日、夫婦と子供(18歳未満)2人の4人世帯で、生活保護の支給額が低所得世帯の生活費を14・2%上回っているなどとする報告書を公表しました。保護を受けていない世帯を上回る「逆転」現象が起きており、田村憲久厚労相は同日午後、「(支給水準を)全体として引き下げることになる」と明言しました。検証報告書で、現在の基準が単身世帯より多人数世帯に有利だと指摘されたことについては「適正化を図る」と述べました。
試算したのは、最も基本的な生活保護費で、食費や光熱水費などに充てる生活扶助の基準額。世帯人数や年齢、地域によって異なり、生活保護を受給していない世帯のうち、収入が低い方から1割の低所得者世帯(平均年収約120万円)の消費実態と比べました。
検証結果を反映した厚労省の試算によると、最も差が開いたのは、夫婦と子供2人の4人世帯。全国平均では生活保護支給が約18万6千円で、低所得者の支出約15万9千円より約2万7千円(14・2%)高い結果となりました。
一方、受給者の多数を占める60歳以上の支給額は一般世帯の生活費より低くなっており、60歳以上の単身世帯では支給が約7万3千円と、低所得者の支出約7万7千円を約4千円(約4・5%)下回りました。基準額は単身世帯より多人数世帯、高齢者より若者、地方より都市部が高くなる傾向がみられました。
報告書を受け、政府、与党は具体的な引き下げ幅を協議し、13年度予算編成の過程で月内にも決定します。引き下げが実現すれば04年以来となります。
« ハローワーク相模原が相模女子大で合同面接会を共催 | 12月時点大学生内定率75%、改善の流れ続く 内定無しも10万人 »
記事一覧
- 雇用保険法に基づく各種助成金 「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を受けた見直しを行うための改正省令案について意見募集(パブコメ) [2024/11/25]
- 「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を閣議決定(首相官邸) [2024/11/25]
- ストレスチェックの実施義務対象の拡大など今後の労働安全衛生対策の方向性を示す報告(案)を提示(労政審の安全衛生分科会) [2024/11/25]
- 令和7年春闘方針の案を提示 定昇分を含め5%以上(中小は6%以上)の賃上げを目指す(連合) [2024/11/25]
- 第3号被保険者制度の将来的な解消に向けた早急な合意形成などを求める(日商が提言) [2024/11/25]