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コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 

2011/02/15

GDP、5期ぶりマイナス-年率1・1%減 政策効果伸び悩み-2010年10~12月期


14日、内閣府が2010年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値を発表しました。物価の変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は前期比 0.3%減、年率換算では1.1%減と、2009年7~9月期以来5四半期ぶりのマイナス成長に陥りました。昨年9月のエコカー補助金終了等で個人消費が低迷、更に海外経済の減速で輸出が減少し、景気の「踊り場」状態を裏付けました。同時に発表された2010年の年間GDPは実質で前年比3.9%増、3年ぶりのプラス成長でした。

2010年10~12月期は、GDPの約6割を占める個人消費が前期比0.7%減で、2四半期ぶりのマイナスとなりました。エコカー補助金終了に加え、10月のたばこ増税前の駆け込み需要や昨年夏の猛暑の反動減が響きました。輸出も前期比0.7%減と2009年1~3月期以来7四半期ぶりにマイナスとなりました。欧米など海外経済の減速と円高の影響です。

住宅投資はエコポイントやローン金利優遇などの政策効果によって3.0%増。設備投資は0.9%増と5四半期連続でプラスだったが、前期(1.5%増)に比べ伸びは鈍化しました。公共投資は5.8%減で、4四半期連続のマイナスでした。

また、物価の動きを反映しており生活実感に近い名目GDPは、2010年10~12月期が前期比0.6%減(年率換算で2.5%減)となり、2四半期ぶりのマイナス成長。2010年の年間は前年比1.8%増と実質GDPの伸びを下回り、物価が持続的に下落するデフレが続いたことを示しました。総合的な物価指標となるGDPデフレーターは2010年10~12月期が前年同期比1.6%低下、2010年は前年比2.1%低下でした。

一方、年明け以降は、輸出が回復に転じ、生産も持ち直しの動きが出ている。14日の会見で、与謝野馨経済財政担当相は「(2010年10~12月期の)マイナス成長は特殊な要因によるもの。このところは自動車の生産・販売の底打ちなど一部に持ち直しの動きが見られ、海外経済の改善や政策効果による持ち直しを期待したい」と述べました。

2010年GDPの国際比較では、内閣府の試算で、日本の名目GDPは5兆4742億ドル(約479兆2231億円)、中国が約5兆8786億ドルとなり、日本はGDP世界第2位の座を中国に明け渡し世界第3位となりました。