2011/02/22
企業も「実名制」に関心、日本にも徐々に浸透―フェイスブック
企業のマーケティングの場としても関心が高まっており、エジプトで反政府デモの呼び掛けに利用されるなどし注目された米国生まれの会員制交流サイト「フェイスブック」。創始者であるマーク・ザッカーバーグ氏と、その周囲の人々、急成長を遂げるフェイスブックを描いた映画『ソーシャル・ネットワーク』は米アカデミー賞候補にもなっています。日本でも個人や企業の利用が拡大していますが、その強みは実名制と世界中に広がる5億人以上の利用者にあります。
フェイスブックが日本語サービスを始めたのは2008年5月。既にアクティブユーザーの数が7000万人を超えた世界第2位のSNSサイトでした。ミクシィ(2009年8月よりパソコン版のサービスを開始)などの国産サイトは、本名は公開せず、ニックネーム・ハンドルネームで参加するケースが一般的です。フェイスブックは実名登録を掲げて「上陸」しましたが、日本人は個人情報を公開することに慎重であるとして、当初は普及を疑問視する声が多くありました。
しかし、ニールセン・オンラインの調べによると、家庭と職場のパソコンからのフェイスブックへの訪問者数は、10年1月の135万6000人から同年12月には307万7000人に拡大、確実な歩みを見せています。フェイスブックを日本で利用している人は、規約通り実名で登録している割合が8割です。フェイスブックで個人情報を公開することに「不安がある」という人は半数超に上るものの、利用者の7割は「世界中とつながっている感覚がある」との考えを持ち、全体の3分の2は「今後日本で普及する」とみています。
日高久美子さん(フェイスブックグローバルコミュニケーションマネジャー)は、「フェイスブックは実生活での関係をそのままオンラインに反映したもの。実名である方が知人を見つけやすいし、知らない人もすぐ判別でき、むしろ安全性が高い」と強調しています。
企業にとっては実名制が魅力に映ります。サイバーエージェントは昨年11月15日に採用活動にフェイスブックを活用すると発表しました。フェイスブック内に採用活動を目的としたファンページを公開し、フェイスブック経由での採用を始めます。トレンダーズも2012年度新卒採用に当たって、「Facebook枠」を設けています。条件を満たしている応募者は、本人が希望すれば、会社説明会参加と一次選考をスキップできる仕組みです。「ソーシャルメディアを使いこなしている学生=新しいメディアへの対応力と情報発信力の高い学生」と評価してのことです。
最近になってファンページをオープンする企業は相次いでいます。既にユニクロ、H.I.S.、ローソン、DELLなどがファンページを立ち上げています。カジュアル衣料品店を展開しているユニクロは、消費者からの意見を集めるため、2007年7月から米国を皮切りにフェイスブック内に自社ページを開設しました。フェイスブックを選んだ理由を「実名だからこそ責任を持った情報交換ができる」(柳井正会長兼社長)としています。2月17日には、ファッションコミュニティサイト「UNIQLOOKS」を世界で一斉公開したと発表しました。
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