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コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 

2017/10/24

個人所得税 控除方式の見直しなどを議論(税制調査会)


 今月23日に開催された「第13回税制調査会」の会議資料が、内閣府などから公表されました。
 今回の議事は「個人所得課税」についてです。
 個人所得課税については、昨年11月の税制調査会の中間報告において、次のような今後の課題が示されています。
○所得控除方式の見直し
○働き方の多様化等を踏まえた諸控除の見直し
○老後の生活に備えるための自助努力を支援する公平な制度の構築 
 今回の会議では、これらの論点を整理した説明資料が配布され、議論が進められました。

 所得控除方式の見直しは、現行の「所得控除方式」を、主要諸外国における税額控除方式、逓減・消失型の所得控除方式などの仕組みを参考にして見直してはどうか?という内容です。所得再分配機能を回復することが目的です。
 現在の「所得控除方式」と対極にあるのが「税額控除方式」といえますが、両者を比較した試算も行われています。
 簡単にいうと、所得控除方式では、収入から一定額を差し引いた後に税率をかけて税額を計算するため、高い税率が適用される高所得者ほど減税効果が大きい。
 一方、税額控除方式は、所得に関係なく、一定の税額を差し引くため、所得が低い人ほど控除の恩恵が大きい。
 ということになります。
 
 また、働き方の多様化等を踏まえた諸控除の見直しとして、会社員らに手厚いとされる「給与所得控除」の在り方も議題に上っています。この控除は、勤務に必要な一定経費を認めて差し引く制度ですが、会社員らと同様の働き方をしながら給与所得控除が適用されない個人請負の労働者らとの不公平感などが指摘されています。雇用形態の多様化は今後も進むとみられ、時代の変化に合わせた税制見直しが必要かどうか議論を深めていくようです。
 
 いずれの見直しも、一部の人が増税になってしまうため、慎重に議論が進められることになりそうです。直ちに実現するものではないでしょうが、将来的には、年末調整の仕組みなどが様変わりしているかもしれませんね。動向に注目です。
 
 詳しくは、こちらをご覧ください。
<第13回 税制調査会(2017年10月23日)資料一覧>
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2017/29zen13kai.html