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2011/07/21
トヨタ東北生産に本腰 新規雇用100人 宮城に訓練校も
トヨタ自動車は19日、コンパクトカー向けエンジン工場の新設や、ハイブリッド車(HV)の新車種生産などを軸とした東北復興支援策を発表しました。東北地方を東海、九州に続く国内第3の拠点に育てるため、生産体制などを強化、整備します。同日、仙台市内のホテルで会見した豊田章男社長は「東北地方が東日本大震災から復興するには長期的、持続的な支援が必要だ」とし、「トヨタとしてはモノづくりを通じて支援したい」と語りました。
新エンジン工場はトヨタとしては国内5カ所目で、東北では初めて。トヨタ自動車東北(宮城県大和町)の本社工場内に年内にも着工します。当初、年産10万基を予定。設備投資額は20億円程度で、80~100人程度の新規雇用を見込んでいます。トヨタは2008年にエンジン工場の新設を表明していましたが、リーマン・ショックによる需要減のため建設を凍結していました。
稼働時期は「できるだけ早く」(新美篤志トヨタ副社長)と述べるにとどめましたが、2013年前半を目指すとみられ、数年後には部品から一貫生産できるよう増設も視野に入れています。
中部地方などから供給していたエンジンを生産することで企画、開発から生産まで担う体制が整います。エンジンは鋳物の生産から工作機械を使う精密加工まで裾野が広く「関連企業が1社でも多く進出してくれるよう働き掛ける」(村井知事)。
関東自動車の岩手工場(岩手県金ケ崎町)では、今年末にも発売する小型HV「プリウスc(仮称)」の生産を始めます。ガソリンエンジン搭載の量販車としては世界最高レベルの燃費性能を実現し、世界戦略車に位置づけています。一部の車種に装備されたHVの電力を非常時に外部に供給するオプションも、1年後までにプリウスに導入することも表明しました。
また、自動車生産の人材を育成するため、企業内訓練校を宮城県大衡村に設立、13年4月から10~30人の規模で自動車生産に関連した教育を開始します。このほか、震災孤児・遺児を対象にした育英基金に3億円を寄付することも発表しました。
トヨタは先週、東証1部上場のトヨタ車体、関東自動車の車体メーカー2社を完全子会社すると発表。また、関東自動車は100%子会社のセントラル自動車(宮城県大衡村)、部品メーカーのトヨタ自動車東北の3社を来年7月をめどに経営統合し、東北に一大生産拠点を作る方針を打ち出しました。グループ全体で経営効率化を図り、1ドル=80円を割り込むような円高下でも国内生産300万台を維持するのが狙いです。
豊田社長は「東海地方は次世代車などが中心、九州は中型車と(高級ブランドの)『レクサス』、東北地方ではコンパクト車、さらにミニバンや商用車はトヨタ車体と役割を明確にする」と説明。東北では「年産45万台の能力を早期に生かす」(新美篤志副社長)とし、その後も拡大させる考えです。
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