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コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 

2022/10/11

半数を超える健康保険組合が赤字 令和3年度決算(健保連)


一定規模以上の社員(被保険者)のいる企業が設立する健康保険組合の連合組織である「健康保険組合連合会(健保連)」は、令和4年10月6日、「令和3年度決算見込と今後の財政見通しについて」を取りまとめ、公表しました。

ポイントは、次のとおりです。
・令和3年度決算見込(1,388組合)
①令和3年度決算見込の経常収支は▲825億円の赤字となり、平成25年度以来8年ぶりに赤字へ。
 5割を超える組合が赤字で、赤字総額は▲2,750億円。
②保険料収入は前年度比+810億円、1.0%の微増。足元の標準報酬は、月額0.3%、賞与額2.9%と、前年度に比べ回復基調にあるものの、新型コロナ感染拡大前の令和元年度決算と比べて、月額▲0.2%、賞与額▲1.6%と、依然として低いまま。
③一方、保険給付費は前年度比+3,408億円、8.7%の増加、高齢者等拠出金は同+1,057億円、3.0%の増加と、保険料収入の伸びを大きく上回るペースで増加。

・今後の財政見通し(健保連推計)
 令和4年度は、一時的な高齢者拠出金の精算戻り等の支出減により、収支が一時的に改善することも見込まれるが、7月以降、外来医療費が予想を大きく上回る勢いで伸びており、今後の動向を慎重に見極める必要がある。

・令和5年度は、75歳に到達する団塊世代の増加により、拠出金は+2,700億円(令和4年比+7.9%)と急激に増加。
 収支は▲1,700億円と再び赤字に転じ、令和5年度以降、毎年、増加する拠出金によりさらなる財政悪化が見込まれる。


前年度は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療機関への受診控えで保険給付費が大きく減少し、2,958億円の黒字でしたが、一転して財政状況が悪化したようです。

今後、保険料を引き上げる健康保険組合が増えてくるかもしれませんね。

必要であれば、ご確認ください。
<健康保険組合の令和3年度決算見込と今後の財政見通しについて(ポイント)>
https://www.kenporen.com/include/press/2022/2022100601.pdf

<令和3年度 健康保険組合決算見込状況について-令和3年度決算見込と今後の財政見通しについて->
https://www.kenporen.com/include/press/2022/2022100602.pdf