2012/03/28
職場ストレス、男性優位の企業風土で女性強く感じる ~16万人民間調査~
働く女性のストレスは男性より深刻になっているようです。企業の従業員を対象に実施した調査によると女性のストレス度合いは要注意レベルになり、男性を上回りました。全国130社、32万人の顧客の中から16万人分を抽出して分析したところ、職場での女性活用は進んだが、男性優位の企業風土で女性の方がストレスを感じやすいことが背景にあるようです。年代別では若年層になるほどストレスが高まる傾向がありました。
50ポイントを基準に数字が大きいほどストレスが高い独自の指標によると、女性は51.7ポイントで、要注意のレベルになり、男性の50.1ポイントを上回りました。カウンセリングが必要なほどストレスが高いレベルの比率は、全体の8.8%。男女別では女性が11.1%と男性(8.3%)より高くなっています。男女のポイント差は2009年の調査時より1.5ポイント広がりました。
女性の職場環境は以前より改善されてきましたが、女性の社会進出に伴いストレスの要因も増えています。分析した担当者によると、昇進が頭打ちになる「ガラスの天井」があるほか、男性に比べると上司から期待をされず、気を使われすぎる傾向がまだあるといいます。
女性だけでなく、若年層のストレスも高いのは、職場の人間関係などで行き詰まりを感じたり、セクハラやパワハラなども原因のようです。
今後、出産など女性特有の事情に配慮した上で、仕事の割り振りや昇進の機会を平等にすべきだとの声も強まりそうです。
年代別でみると、20代の51.7ポイントに対し、50代は48.2ポイント、60代は45ポイントを下回りました。職歴の浅い若年層ほど、ストレスが高くなる傾向があります。
この調査はEAP(従業員支援プログラム)大手のアドバンテッジリスクマネジメントが東京海上日動メディカルサービス(東京・千代田)と共同で提供するメンタルヘルスサービスの11年利用実績からまとめたものです。調査対象の8割が、従業員1000人超の大手企業です。
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