2011/03/23
震災復興費、年金財源などの転用を検討
政府は22日、東日本大震災の復興対策に充てる2011年度補正予算をめぐり、高速道路の新料金割引と基礎年金の国庫負担割合(現行2分の1)維持のための財源を転用する方向で検討に入りました。実現すれば最大約4.5兆円の財源を確保できるということです。
今回の大震災の被害額は阪神大震災の約10兆円を超えるのは確実で、必要額を確保するメドは立っていません。
大畠章宏国土交通相は22日の閣議後記者会見で、4月1日から実施予定の高速道路の新料金割引について「できるだけ予算を災害復興に充てることを中心に考えるべきだ」と述べました。割引後の新料金の財源は、自民党政権時代に確保した予算3兆円の残り分2兆円を充当する仕組みですが、これを被災地復興に最大限活用したい考えです。
一方、基礎年金の国庫負担割合を維持するための財源活用について、野田財務相は「(被害の)規模が定まっていないときに、まず財源先行ではない」と述べるにとどめましたが、政府関係者は「検討項目の一つ」と前向きな姿勢を示したということです。
政府は基礎年金の2分の1を国が賄う方式を維持するため、23年度予算案に約2.5兆円を計上しています。財源は鉄道建設・運輸施設整備支援機構の剰余金などで、これらを復興財源に回す方向で検討します。
民主党は復興予算の財源捻出に向け、子ども手当などマニフェストに掲げた政策の撤回も検討しています。自民党内では時限的な増税案も浮上しているということです。
財務省はインフラ整備費を建設国債でまかない、それ以外は赤字国債での調達を想定しています。与党内では日銀が全額を直接引き受ける「震災復興国債」も議論されていますが、日本の長期債務残高は震災による特殊要因を除いても、国と地方を合わせて23年度末には892兆円と国内総生産(GDP)の2倍近い水準に膨らむ見通しです。財政悪化に歯止めをかけつつ、復興対策をどう進めるか、議論は難航しそうです。
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