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人事・労務に関するトピックス情報

コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 

2019/02/06

保険外交員の給与からの多額な経費の天引き(搾取)に関し、弁護団を結成


「保険代理店に雇用された外交員が、給与から多額の経費を不当に天引きされるケースが相次いでいることを受け、労働問題に取り組む弁護士が、2019(平成31)年2月4日に記者会見を開き、違法に支払われていない賃金の請求を支援する弁護団(保険外交員搾取被害弁護団)を結成したと発表した。」といった報道がありました。

弁護団によると、保険代理店に勤務する保険外交員の方が、雇用主である保険代理店から、通常の雇用では考えられないような、様々な「搾取」の被害にあっていることが判明しているということです。

典型的なものには、次のようなものが・・・

・見込客の情報料を負担させられて給与から引かれる。

・管理費、PCのリース代等の経費を負担させられて給与から引かれる。 

・強制的に様々な資格を取らされ、その費用を負担させられて給与から引かれる。

などなど

 

これらは極端な例といえますが、これを機に、各企業におかれましても、賃金の控除のルールを確認しておきましょう。

 

〔確認〕賃金からの控除については、労働基準法第24条において、賃金の全額を直接労働者に支払うことが原則とされています。

その例外は、次の場合に限られています。

1.法令に別段の定めがある場合(税や社会保険料の控除)

2.事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等との書面による協定(労使協定)がある場合

上記のいずれかの場合に限り、賃金から一部の金額を控除することが認められていますが、上記2.の労使協定により控除できるのは、社宅や寮の費用など、労働者が当然に支払うべきことが明らかなものとされています。

 

まずは、法令に別段の定めがあるものを除き、労使協定なしに控除するのは違法(労働基準法違反)です。

また、労使協定があっても、控除しようとする費用の性質によっては、控除に応じる意思がない労働者の賃金から控除することが認められず、違法となる可能性もあります。



たとえば、会社で団体加入した生命保険・損害保険の保険料などを、労使協定を締結するのを忘れたまま、労働者の賃金から控除しているといったケースは、どのような企業においてもあり得ることです。

今一度、確認しておきましょう。