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2019/11/20
大手自動車で社員がパワハラ自殺 労災認定
「自動車の大手企業で男性社員が上司にパワーハラスメントを受けたことによって自殺し、それを労働基準監督署が労災認定した」という報道があり、話題になっています。
労災認定は令和元年(2019年)9月11日付け。
同年の11月19日に、遺族が同社に損害賠償を求める方針を表明し、明らかになりました。
遺族側の代理人の弁護士によると、男性は大学院を修了して、2015年4月に同社に入社し、研修期間を経て、2016年3月に本社に配属されたそうです。
その翌月以降、上司から、繰り返し「バカ、アホ」などと暴言を浴びせられ、「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」などと叱責されていたということです。
さらに、個室に呼び出されて「俺の発言を録音してないだろうな。携帯電話を出せ」などと詰め寄られたこともあったということです。
男性は2016年6月ごろに精神疾患を発症し、翌月から3か月間休職。
男性は2016年6月ごろに精神疾患を発症し、
復帰後は別のグループの所属になったものの、同じフロアにその上司の席があったということです。
その後、「席を替わりたい」、「死んで楽になりたい」などと周囲に漏らすようになり、2017年10月に、社員寮の自室で自殺するに至ったということです。
この労災認定について、代理人の弁護士は、「職場復帰後に通院しなかったり、自己申告しなかったりすると「治った」と判断され、休職前のハラスメント行為と復帰後の症状や自殺との因果関係が否定されることが多いが、今回の認定は実態を踏まえた適正な労災認定で、意義が大きい」とコメントしているようです。
典型的なパワハラ事例ですね。
人格を否定する暴言や叱責を繰り返すことはパワハラに該当するということは、肝に銘じておく必要がありますね。
これは極端な事例と言えるかもしれませんが、パワハラなどのハラスメントについては、行為者がそうは思っていなくても、客観的に見ればそれに該当しているというケースもあります。これを機に、次のサイトなどで今一度確認しておきましょう。
〔確認〕あかるい職場応援団(厚生労働省委託事情:ハラスメント対策の総合情報サイト)
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