2020/07/01
新型コロナで世界の労働時間14%減少 当初予測よりはるかに悪化 大規模な雇用喪失が続くおそれがあると警告(ILO)
国際労働機関(ILO)は、新型コロナウイルスの労働市場に対する影響を分析した最新の資料『新型コロナウイルスと仕事の世界ILOモニタリング第5版・英語) 』を公表し、2020年前半における世界の労働時間の減少が当初予測よりはるかに悪く、今年後半の回復の見込みも非常に不確実であり、たとえ最善のシナリオをたどった場合でも、ウイルスの世界的大流行以前の水準に戻るには不十分であり、大規模な雇用喪失が続くおそれがあると警告を発しています(令和2年6月30日公表)。
2020年5月27日に発表したモニタリング資料第4版では、2020年第2四半期に世界の労働時間は、前年の第4四半期よりも10.7%減少し、これは週労働時間48時間換算で3億500万人分に相当するとの見通しを示していました。
しかし、この度発表した第5版では、同四半期の労働時間の減少は14%に上り、フルタイム労働者換算で4億人分に相当するとの分析結果を示しています。
この大幅な上方改訂は、途上国を中心とする多くの地域における過去数週間の状況の悪化を反映したもので、地域別で見ると第2四半期の労働時間減少幅は、米州18.3%、欧州・中央アジア13.9%、アジア太平洋13.5%、アラブ諸国13.2%、アフリカ12.1%となっています。
なお、2020年第4四半期の予測については、基本モデルで、前年の第4四半期と比べた世界全体の労働時間が、フルタイム労働者1億4,000万人分に相当する4.9%減少すると予測されています。
ILOの事務局長は、「流行の段階は国によって異なり、多くのことが行われてはいますが、危機の開始時点よりもより良い形状でこの危機から抜け出したいと思うならば、努力の倍加が必要です」と説き、ILOが来週開く「新型コロナウイルスと仕事の世界グローバルサミット」の機会を用いて、各国政労使が革新的なアイデアを発表・聴取し、学んだ教訓について話し合い、雇用を豊かに生み、包摂的かつ公平で持続可能な回復を実施するために協働する具体的なプランに行き着くことへの期待を語った上で、「より良い仕事の未来の構築という課題に向けて私たちは皆ステップアップを図らなくてはなりません」と訴えているということです。
良い方向に向かうことを願うばかりです。詳しくは、こちらをご覧ください。
<雇用危機が深まる中、不確実で不完全な労働市場の回復を警告するILO(ILO駐日事務所プレスリリース)>https://www.ilo.org/tokyo/information/pr/WCMS_749277/lang--ja/index.htm
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