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コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 

2012/01/25

年金加入「年収80万円」検討 厚労省 対象者、段階的増加へ


 社会保障と税の一体改革の大綱素案に盛り込まれたパートなど非正規労働者の厚生年金と健康保険への加入拡大で、厚生労働省が対象者の当初の収入基準を「年収約80万円以上」とする案を検討していることが分かりました。

 勤務先の企業規模は「従業員300人以上」とする方向です。厚労省は労働時間について「週20時間以上」とする方針で、これらを満たす新規加入者は100万人程度になる見通しです。企業の負担を考慮して、当初想定した400万人からは縮小しますが、段階的に対象者を増やしたい考えです。

 厚労省は通常国会に法案を提出し、3年以内の実施を想定しています。ただ主婦パートの雇用が多い流通、外食産業は加入拡大そのものに強く反発しており、今後曲折が予想されます。

 厚生年金と健康保険の現行加入要件は「正社員の4分の3の労働時間(週30時間)」となっています。税制で配偶者控除を受けられる「年収103万円以下」や、国民年金の保険料を納付しなくても給付が受けられる「第3号被保険者」の「年収130万円未満」といった基準を意識し、就業時間を調整する主婦パートが多い状況です。しかし年収80万円程度で厚生年金加入となれば、年金受給額が増える利点もあり、就業を抑制する人は少ないとみられています。