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人事・労務に関するトピックス情報

コンテンツ提供元:株式会社ブレインコンサルティングオフィス 

2019/02/15

女性活躍推進とハラスメント対策を強化する法案にパワーハラスメント防止対策の法制化も盛り込む(労政審が妥当と答申)


   厚生労働省から、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」の諮問及び答申について、資料が公表されました(2019(平成31)2月14日公表)。

    同法律案要綱について、厚生労働大臣が労働政策審議会に対して諮問をし、同審議会から「おおむね妥当」との答申が行われたとのことです。
 
 厚生労働省では、この答申を踏まえ、現在開会中の通常国会への法案提出の準備を進めるということです。
 
   法律案要綱のポイントは、次のとおりです。
1.女性活躍の推進
(1)一般事業主行動計画の策定等の義務の対象拡大
    ・一般事業主行動計画の策定義務の対象を、常用労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大する。
(2)基準に適合する認定一般事業主の認定
 ・女性活躍に関する取組が特に優良な事業主に対する特例認定制度を創設する。
(3)女性の職業選択に資する情報の公表
 ・情報公表義務の対象を常用労働者101人以上の事業主に拡大する。
 ・あわせて、情報公表に関する勧告に従わなかった場合に企業名公表ができることとする。 など
 
2.ハラスメント対策の強化
(1)国の施策
 ・国の講ずべき施策に「職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実すること」を規定する。
(2)パワーハラスメント防止対策の法制化
 ・事業主に対して、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務(相談体制の整備等)を新設する。あわせて、措置の適切かつ有効な実施を図るための指針の根拠規定を整備する。
 ・パワーハラスメントに関する労使紛争について、都道府県労働局長による紛争解決援助、紛争調整委員会による調停の対象とするとともに、措置義務等について履行確保のための規定を整備する。
(3)セクシュアルハラスメント等の防止対策の強化
 ・セクシュアルハラスメント等に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の努めるべき事項を明確化する。
 ・労働者が事業主にセクシュアルハラスメント等の相談をしたこと等を理由とする事業主による不利益取扱いを禁止する。
 ※パワーハラスメント及びいわゆるマタニティハラスメントについても同様の規定を整備。
 
3.施行期日
 公布日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日(ただし、1(1)(3)の対象拡大は3年、2(1)は公布日。また、2(2)の措置義務について、中小企業は公布日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日までは努力義務)

   「パワーハラスメント防止対策の法制化」が、最も気になるところかもしれませんね。
   この法制化は、労働施策総合推進法に、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務(相談体制の整備等)などを新設する形で行われます。
   公布日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日から施行される予定ですが、中小企業においては、公布日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日までは努力義務とされるようです。

   すべての企業に影響を及ぼす重要な改正になりそうです。

   詳しくは、こちらをご覧ください。
<「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」の諮問及び答申について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00002.html
※諮問文から、「法律案要綱」がご覧になれます。

〔参考〕この法律案要綱の答申について、連合(日本労働組合総連合会)がコメントを公表しています。
   細かな意見はあるものの、女性活躍推進とハラスメント対策を一歩前進させるものとして評価しているとのことです。
<女性活躍推進とハラスメント対策に関する「法律案要綱」答申に対する談話(事務局長談話)>
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1029